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2. 安政3年9月29日付相良屋源三郎宛

安政3年9月29日付相良屋源三郎宛

二白、御家内へも宜敷御伝声可被下候、以上。
一筆啓上仕候。冷気次第に相増し候へ共、弥御安全可被成目出度奉存候。随而野生儀道中筋無異議江戸に着仕り、築地屋敷に罷在候。乍憚御休意被下度候。陳者出足の節は御懇念被下、又御見事成る御送物被下千万忝き次第に奉存候。早速御礼申上筈の処、失礼に打過ぎ候段、御仁免可被下候。定而御国下御静謐恐悦至極と奉存候。先者右御礼迄、早々如此に御座候。
 恐惶謹言。
 九月二十九日  坂本龍馬
 相良屋源三郎様
 御左右


[現代語・意訳]

まず、ご家内様へもよろしくお伝えください。以上。
一筆啓上申しあげます。
冷気が次第に増してまいりましたが、皆様いよいよ安全にお過ごしなされていることと、めでたく思います。
私は道中何事もなく江戸に到着し、築地の土佐屋敷に滞在して休息させていただいております。
さて、私の土佐出立のおりは心配りをしてくださり、また見事な贈り物をいただき、千も万もかたじけない次第と感謝申しあげます。
すぐにお礼を申しあげるべきところ遅れてしまった失礼の段、お許しください。
きっと、お国もとの皆様ご無事のことと思い、喜びにたえません。
まずは、右のお礼まで申しあげます。
 恐惶謹言。
 9月29日 坂本龍馬
 相良屋源三郎様
 御左右


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